2018-01-01から1年間の記事一覧

暁にその名を呼べば

この記事はトールキンライティングデー @TolkienWriting さんの企画、 トールキンアドベントカレンダー2018 16日目のエントリーです。 指輪物語において、名前はちょくちょく重要な役割を果たします。 ピピンが「モルドールに行くんだって!」とか「指輪の王…

「ここではないどこかへ」

(この記事は @TolkienWriting さんの企画 #TolkienWritingDay 2018 September への寄稿の第3部です。一応関連していますので、未読の方は第1部、第2部の記事もお読みいただければ幸いです) 昨日の記事で「エルフ=プレイヤー説」について触れましたが、そ…

「外と中」

(この記事は @TolkienWriting さんの企画 #TolkienWritingDay 2018 September への寄稿の第2部です。未読の方は第1部の記事もお読みいただければ幸いです) 昨日の記事で「ガンダルフ=アバター説」について触れましたが、そうなると気になるのはエルフたち…

「中と外」

(この記事は @TolkienWriting さんの企画 #TolkienWritingDay 2018 September に参加しています。企画へのリンクは記事の最後からどうぞ) 「エルロンドの館じゃ。今は朝の10時じゃ。」と答える声がありました。 「ここはいつも暗い。だが外では月が西へま…

もしも中つ国が

この記事は トールキンワンドロ&ワンライ2018(@1hTolkien)さんの企画、 #1hTolkien 第100回に参加したものです。 お題 「もしも○○が○○だったら」より、 「もしも中つ国が"中国大陸"だったら」 もしもトールキンが古英語の研究者ではなく、東洋文化史の碩学…

新年の14日

この記事は @TolkienWriting さん主催のイベント #TolkienWritingDay に参加して投稿したものです。過去のイベントはこちら http://bagend.me/writing-day/ 今日(4/8)はゴンドールの新暦では新年の14日、フロドとサムがイシリエンで目を覚ましてガンダルフた…

悪霊よけ

ラダガストがわざわざガンダルフを探して伝えに来た「九人組が大河を渡った」という知らせ、まあ確かに厄介そうな話ではありますが、教授としては私たちの印象よりも深い象徴を意図しているのではなかろうか、という話を。 体系だって調べたわけではないので…

わが捲き毛を持つものよ

ロスロリエンにてギムリが奥方様に御髪を希う場面は指輪物語の中でももっとも美しいシーンのひとつと勝手にみなしていますが、ここを読み返す時、最近になって思うことがひとつあります。 手ずからギムリに巻き毛を授けながら、もしこの戦いを無事に乗り切れ…

モルドール経営

黒門前の戦いで、サウロンがフロドに気づいた瞬間に、彼の意識は一気にオロドルインに集中し、サウロンの軍は統制を失って浮き足立ってしまいました。逆に言えば何十万のオークやトロルを始め、モルドール中に散らばる数多の下僕たち、また、国外に派遣され…

旅をさせよ

しばしば言及されていますが、ホビットの寿命は人より長めなので ホビットたちの"年相応"の感覚というのは若干実年齢とずれがあります。一番単純な計算として、成人ならぬ成ホビットの33歳が日本人の20歳となるよう1.65で割るとすると、 出発時の年齢を換算…

わが友グワイヒアよ

黒門前の最後の戦いで、フロドたちを助けにいくためにガンダルフがグワイヒアに頼むかっこいいシーンがあります。 『「あんたはわしを二度運んでくれた。わが友グワイヒアよ、」と、ガンダルフはいいました。「もしあんたが喜んでやってくれるなら、三度目で…

働かざる人々

子供の頃に指輪物語を読んだとき、疑問に思っていたのは、フロドたちの仕事ってなんなんだろう?......ぶっちゃけ、生活費をどうやって稼いでいるんだ? というものでした。だってどうみても働かずにぶらぶらしたり本を書いたりして暮らしています。 最後ま…